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センター概要
メッセージ センター長 東原紘道

地震防災フロンティア研究センター(EDM:Earthquake Disaster Mitigation Research Center)の目的は、大都市を中心に地震災害軽減のための先端的な研究に取り組むことです。

1995年1月17日の阪神・淡路大震災は、大都市の弱さを明らかにしました。そこで我が国は、建物や高速道路などの強化、緊急地震速報などの予防システム、早期の被害確認と情報通信システム、広域の応援や協力などの広範なしくみ作りを進め、地震直後の捜索・救助、避難所設営から防犯・防疫など被災コミュニティをまもる緊急対応、復旧から復興にいたる幅広い対応方法を研究し、体制を整備してきました。また近年では、外国での大災害時の国際緊急援助も日本の重要な役目と考えられています。

このような広がりが求められる地震防災の研究と社会の現場への応用がEDMの使命です。EDMは震災から3年を経た1998年1月、理化学研究所のフロンティア研究システムの中に開設され、3年後の2001年4月に防災科学技術研究所に移管されました。2002年には、文部科学省の「大都市大震災軽減化特別プロジェクト」の一部を実施するために、川崎市に川崎ラボラトリーが開設され、活発な研究を進めています。一方、神戸のEDMの研究は、2006年4月からの中期計画に基づいて、「医療システムの防災力の向上」・「ITを活用した地域コミュニティおよび自治体の防災力の向上」・「災害軽減科学技術の国際展開」を3本の柱としています。

 
1. 現代の医療システムは非常に高度化されており、それとともに地震に脆弱になっています。また、災害医療は、医療チームの派遣、傷病者や医薬品・資材の輸送問題、病院同士や自治体・警察・消防・自衛隊さらには民間企業やNGOなどたくさんのグループ機関との連携があって始めて力を発揮できます。そこでEDMの研究は、病院など医療施設自体の安全性向上と災害の際の医療サービスの確保という2つの課題に取り組んでいます。
2. 高齢化や核家族化などにより、大災害には地域対応が必要になっています。他方ではいろいろな緊急援助のための全国組織が参集しますから、地元自治体がまとめ役を果たさなければなりません。そこで、このような自治体の能力を高めるために、防災科学技術研究所が既に自主開発した時空間GISシステムを提供して自治体の運用を支援し、平常時からの業務合理化と事務コストの削減、災害時での処理機能の維持、職員の能力向上、お年寄りや乳幼児など災害弱者に向けた支援サービスの開発、住民参加の支援を進めています。
3. EDMは、これまで防災に向けた国際共同研究を重ねてきています。その中で浮かび上がったのが研究成果と現場の連携強化の大切さです。この考えは、阪神・淡路大震災10周年に神戸で開催された国連世界防災会議の決議にも採択されました。そこで、これを実現するために、国際共同研究を通して、優良な防災実践例のウェブ・データベースを開発しています。これは品質が高く、ウェブの長所を生かして読みやすく、しかも実践に役立つ技術情報をたっぷり含んでおり、防災事業を支援することができます。

EDMは、プロジェクト型の研究のための任期制契約研究員制度を使った流動的な体制で、学際的な研究者構成になっており、異分野間の交流により新鮮な発想を生み出すダイナミックな研究環境をもっています。地震防災に努力しておられる多くの方がEDMの活動に関心を寄せていただき、活発に参加していただければ幸いです。

特徴

1. 先導的な研究の総合的推進

センターの研究は、個別の研究テーマを担当する研究チームによって進めますが、各チームの研究成果が相互に活用されるよう、常に総合化の視点を保持します。

2. 多分野協同による流動的研究体制

工学、理学、人文・社会科学、情報科学等の幅広い分野の研究者による、協力、交流、相互理解を促進する場とします。 そのため、外部との積極的な共同研究・研究協力を行い、固定化した研究組織では困難な課題を、流動的な研究システムで集中的に取り組みます。

3. 実用的・実証的な基盤研究の推進

大学における基礎研究と行政ニーズ対応の応用研究の間をつなぐ、実用的・実証的な基礎研究を中心に研究を行います。

4. 社会への貢献

研究成果は、社会への地震防災力のため、研究レポート、フォーラム、インターネットなどを通じて、幅広く国内外に向けて発進します。

5. 国際的な研究交流の場

センターは、関係機関と連携を取りながら、海外との情報や人材の幅広い交流に努め、アジア太平洋地域を中心とした国際研究交流を推進します。

6. 外部研究者による研究評価の実施

研究期間の節目において、地震防災分野における外部の一流研究者による評価を実施し、研究計画の見直し等の自己点検を積極的に行います。

沿革
1995年 01月   阪神・淡路大震災発生
1996年 03月 科学技術庁航空・電子等技術審議会に「地震防災研究基盤の効果的な整備のあり方について」に関する諮問が行われ(諮問第24号)、同審議会に地震防災研究基盤分科会(主査:岡田恒男・芝浦工業大学教授)を設置
1996年度 科学技術庁「地震防災フロンティア研究」の一環として、地震防災研究発足の構想に着いて理化学研究所との間で協議
1997年 03月 理化学研究所機動的先端研究プログラムによる「地震防災フロンティア研究」を含む政府予算決定。理化学研究所に地震防災フロンティア研究準備委員会(委員長:岡田恒男)、および同準備会(リーダー:亀田弘行)を設置
1997年 09月 航空・電子等技術審議会から科学技術庁長官に答申(「地震災害時空間シミュレーション・システム(仮称)」の開発を研究開発の中核目標とし、そのための振動実験施設、地震防災研究拠点の必要性とその整備・運営方針を提言)
1998年 01月 理化学研究所地震防災フロンティア研究センター(EDM-RIKEN)を兵庫県三木市に開設(27日開所式)
2001年 04月 防災科学技術研究所の独立行政法人化を機に、所管を理化学研究所から防災科学技術研究所に移し、「防災科学技術研究所地震防災フロンティア研究センター(EDM-NIED)」発足
2002年 10月 地震防災フロンティア研究センター川崎ラボラトリー(EDM-KAWASAKI Lab)を神奈川県川崎市に開設
2003年 04月 人と防災未来センター「ひと未来館」(兵庫県神戸市)へ移転(21日)
2006年 04月 組織改編により「防災科学技術研究所 防災システム研究センター 地震防災フロンティア研究センター(EDM-NIED)」発足
2007年 03月 川崎ラボラトリー(EDM-KAWASAKI Lab)廃止
組織図

1963年、国立防災科学技術センターとして東京に設立されました。1970年から筑波研究学園都市への移転が始まり、1978年に移転が完了しました。1990年には国立防災科学技術センターから防災科学技術研究所に名称が変更され、さらに2001年からは独立行政法人防災科学技術研究所となりました。災害から人命を守り、災害の教訓を活かして発展を続ける災害に強い社会の実現を目標に研究活動を行っています。

組織図
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位置づけ 位置づけ
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※HAT神戸には国内外の防災に関する研究機関が集積し、EDMでは科学技術を活用した防災研究を行っています。